巻頭言
ここ数年の『学習塾白書』には、各社の将来へ向けての投資が少な「過ぎる」と指摘されている。
この30年間、日本経済は成長していない。30年前、韓国の平均賃金は、日本の半分ほどだった。しかし現在は日本を追い抜いてしまった。
経済が成長しないのだから、賃金が伸びないのも当然だと思ってはいないか。
日本だけが賃金が伸びないのは、労使共に賃上げより、雇用の安定を優先したからでもある。
日本企業の内部留保は非常に大きい。長年に渡り設備投資や人的投資などをしてこなかった。何故なら将来への展望がないからだ。
これは企業だけでなく、政治に大きな責任がある。
再び『学習塾白書』を開く。
そこには、業界での将来投資が少ないのは、政治同様将来への展望が描けていないことが原因と推察されている。
しかし、学習塾業界の場合、将来の事柄で完全にわかっていることがある。
現在の小学校4年生は約103万人だが、21年度の出生数は約81万人にまで減少している。10年間で2割も減少することが確定している。
人口減で高校受験や大学受験は一般的に易化する。受験圧力は確実に低下すると考えられる。
10年後に向け、貴塾はどのような対策を講じているのだろうか。
これも早めに手を付けた方が良い。試行錯誤する時間を稼げたり、ノウハウを蓄積することができたりする。
(如己 一)
目次
- 6 CatchUp1 須原英数教室「受験のために塾があるのではない」 須原英数教室が教えてくれるもの
- 8 CatchUp2 株式会社学研エデュケーショナル 低学年からの導線にも「ワーキングメモリ」を育成し、学習の土台を作る『ことばパーク』
- 12 HOT TOPICS1【特別公開】「0」から「1」を生み出す探究心を育み、 真の進路発見を実現する教育プログラムとは?
- 16 HOT TOPICS2 成功体験を振り返り、やる気スイッチを見つける機会に第1回「やる気スイッチ大賞」が決定
- 18 HOT TOPICS3 3年ぶりの開催! 第15回全国模擬授業大会
- 20 HOT TOPICS4 福山から教育に変革を 福山子ども育成推進協会が設立記念講演を開催
- 24 挑む私学 瀧野川女子学園中学高等学校 リアルなビジネスさながらの 創造性教育で自分を発見
- 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 54 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 56 【特集】 教育経営用語集 2022
- 78 TOP LEADER Interview 目指すのは、全員が笑顔で卒塾できる塾 株式会社 昴
- 88 教育サービス業界 企業研究(116) 株式会社StuDeepl
- 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(341)
- 92 疾風の如く(156) 吉田塾(東京都) 代表 吉田 昭久さん
- 94 For Whom the 塾 Tolls(14)
- 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(110)
- 98 白書界隈徘徊話(88) 西村克之
- 100 自ら動き出すチームにする方法(94) 中谷彰宏
- 102 塾の家計簿(62)
- 104 シン・ジュクジン(8)
- 105 芸術見聞録(108)
- 107 塾長の机
- 108 為田裕行の「教育ICT行」(88)
- 109 10¹⁵ PETA(16)
- 110 1981(40)
- 111 Opinion from School(37)
- 112 林明夫の「歩きながら考える」(203)
- 114 新・授業改革を目指して(127) 石川幸夫
- 116 私塾界インサイト(52)
- 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(8)
- 122 咲かせよ桜(89) 小林哲夫
- 126 論点2022(7) 飛び入学
- 130 編集後記
- 132 Book Review
- 134 塾長のためのガジェット講座