熊本県教育委員会は、2023年4月、県立高森高校に『マンガ学科』を新設する。マンガ学科の設置に当たっては、2021年9月に県立高森高校、高森町、マンガの出版やアーティスト育成事業等を手掛ける株式会社コアミックス(東京・武蔵野市)と「マンガを活用した高森高校の魅力向上に関する連携協定」を締結し、現在、4者で連携して準備を行っている。
マンガ学科では、コアミックスの助言によるプロ仕様の機材を使って、現役編集者や漫画家が授業を行う。また、都内・熊本県内の編集部とオンラインでつながり「地方にいながら都心と同じ」教育環境を提供する。
県立高森高校にマンガ学科の設置を決めた背景は、出版業界を取り巻く現状がある。『出版不況』と言われるなか、漫画の売れ行きを示すコミック市場は2018年から4年連続過去最高額を更新。スマートフォンなどで読む電子コミックが紙媒体を逆転し、市場を大きくけん引している。
県立高森高校は、南阿蘇地域唯一の高校。長年「地域になくてはならない学校」として、教育的な役割のみならず、文化・地域振興の中心的な役割を担ってきた。しかし、少子化の影響等により、10年以上定員割れが続いている。
熊本県教育委員会では、高森高校の魅力化の目玉としてマンガ学科の設置に踏み切った。学科設置に当たっては、協定に基づき、高森町はプロの漫画家が使用する漫画制作機材の提供や寮の整備、通学支援等の強力なバックアップを行い、(株)コアミックスは専門的知識・ノウハウで学科設置のサポートを行うほか、講師派遣や高校生への同社施設の開放等を行う。
高森高校では、2023年入学者向けの説明会を開催する。コアミックスの講師によるマンガ作画体験や、コアミックス第二本社の施設「アーティストビレッジ阿蘇096区」での創作風景等の見学を予定し、マンガ学科の魅力を肌で感じることができる。高森町では、オープンスクールの開催に合わせ、当日の町内での宿泊費の全額補助や、阿蘇くまもと空港・JR熊本駅からの無料送迎バスの運行に加え、全国からの参加者に高森町の自然や観光、くらしの魅力をPRするイベントを開催し、マンガ学科設置の機運上昇に町をあげて取り組むという。
◇高森高校オープンスクール参加フォーム
https://bit.ly/3mwT8L7
◇アーティストビレッジ阿蘇096区HP
https://aso096k.jp/