DNPの学びのプラットフォーム「リアテンダント」都立高校全校への導入が決定

 大日本印刷株式会社(DNP)は、教育現場で紙のテストの結果を自動的に採点・分析し、一人ひとりの児童・生徒の課題を抽出して、個別最適化した学習の推進や教員の働き方改革などを支援する「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント®」のサービスを提供している。
 2022年4月より、「リアテンダント」の東京都立高等学校全校、中等教育学校および附属中学校、計203校の都立学校への提供が決定した。

【都立高校全校等への「リアテンダント」の提供について】
 東京都教育委員会は、日本が目指す未来社会の姿である「Society5.0」(内閣府:第5期科学技術基本計画)の実現に向け、子どもたちの学ぶ意欲に応え、子どもたちの力を最大限に伸ばすツールとして、教育のICT化を強力に推進することで、学び方・教え方・働き方の3つの改革を実現する「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を推進している。その実現のため、今回、都立学校のICT環境整備の一環で定期考査の採点・分析システムを整備するなかで、採点の効率化に加えて学習履歴データの活用などでも実績のある「リアテンダント」の導入が決定した。
「リアテンダント」は、テストの採点を支援するほか、児童・生徒の学習履歴のデータを蓄積・可視化し、一人ひとりに応じた指導につながる情報を教員に提供するプラットフォームで、今回、採点パッケージ(中学校・高校向け)を提供する。DNPは「リアテンダント」の提供を通じて、採点業務の効率化による教員の働き方改革や、学習履歴の可視化による「個別に最適化された学び」の支援、情報端末向け教材の提供による指導と評価の一体化などを支援していく。

 DNPはこれまで、学習関連と校務関連のデータの連動によって教育の質の向上を目指す文部科学省の「次世代学校支援モデル構築事業」や、総務省の「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」(2017~19年度)をはじめ、先進的な実証事業に参画してきた。

 2019~20年には、東京都のBYOD(Bring Your Own Device)研究指定校(7校)に採点支援システムを提供し、採点の効率化による教員の働き方改革を支援し、採点時間を従来の半分程度に短縮してきた(7校の実績による試算では、採点時間を従来の49.0%に削減)。 うち2校では、2020年に、東京学芸大学の森本康彦教授と北澤武准教授の指導のもと、採点支援システムで収集した採点やアンケートの結果データの活用について研究した。日常の紙の小テストや定期テストの採点で蓄積した学習履歴データを分析することで、個別に最適化された学びや、学習履歴に基づくエビデンスベースの指導、授業の改善などに活かしていく実証研究を行った。研究では、データ活用による教員の気付き、授業や指導の改善、生徒の学習計画への活用について検証を行うとともに、活用時の課題について抽出した。

 DNPは、今回「リアテンダント」を導入する都立学校各校の「働き方改革」を支援するとともに、研究を通じて得た知見をもとに、学習履歴データを活用した教員の「教え方改革」、生徒の「学び方改革」を推進していけるよう、東京都教育委員会と連携してさまざまな課題の解決に努める。

「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント」の採点パッケージ : https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/1192360_1567.html

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