全国学習塾協会がITツールポータルサイト『塾ツール』をオープン 「IT導入補助金」の申請のハードルを下げる

  5月31日、ITツールポータルサイト『塾ツール』(http://jja.or.jp/jukutool/)がオープンした。運営は、公益社団法人全国学習塾協会の「JJA IT コンソーシアム(以下、「ITコンソーシアム」)」が担う。「ITコンソーシアム」は、同協会の中に新たに設置された生産性向上推進事業部の活動主体として、全国の学習塾の労働生産性の向上や経営力強化に取り組んでいる。

塾ツール

 同協会が『塾ツール』をオープンした理由の一つに「IT導入補助金」の普及推進がある。「IT導入補助金」は、経済産業省の中小企業生産性革命推進事業の1つで、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助し、業務効率化・売上アップを支援するというもの。『塾ツール』は、生産性向上のために学習塾で使えるITツールやクラウドサービスを検索でき、普及推進、申請の相談・フォローをしてくれる。

 これまで、学習塾がIT導入補助金を申請する際、経済産業省の特設サイト(https://www.it-hojo.jp)で、主に情報やITベンダー・サービス提供者を探すしかなかった。しかし、このサイトには、日本中のベンダーの全ての情報が入っているため、その中からある種特殊な業界である学習塾に有益なITベンダー、サービスを探すのは難しい。

 また、例えば、手作業でやっていた給与計算に対してITツールを導入することで、労働生産性が上がるのはわかりやすいが、教材系のツールを導入することで、労働生産性が上がるということを説明するのは、塾業界を知らない人には伝わりにくい。

 加えて、ベンダー側もIT導入補助金の全てをわかっているわけではない。この状況を打破するため、学習塾とベンダーの仲介を「ITコンソーシアム」が担う。

『塾ツール』には、学習塾にコンテンツやサービスを提供しているベンダーが集められているので、検索のハードルが一気に下がる。現在、約50社が参画を決めている。同協会が行った業況調査(2020年4月~7月)で、IT導入補助金を申請して給付を受けたのが1.2%という低い水準だった。この状況の打破を目指す。

 今までも全国学習塾協会は、IT導入補助金などの国の施策について毎年説明会をしていた。しかし今回、

「そこから一歩踏み出し、学習塾とベンダーと手を取り合って連携を深めていきたい」と、生産性向上推進事業部を統括する地福武史常任理事は語る。

 今後も、公益法人として経済産業省等の国の機関との窓口になり、情報や知見を塾、ITベンダーなどの教育機関に還元していく。

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