ヘレン・ケラーの講演テープ発見 京都府立盲学校の資料室で

 4月20日、ヘレン・ケラー(1880~1968年)の肉声を収めたテープが、京都府立盲学校に保管されていることがあきらかとなった。ヘレン・ケラーは、視覚と聴覚の重複障害をかかえながら、世界各地で障害者福祉の向上を訴えていた。
 テープは昨春、同校元教諭の岸博実さんが同校資料室の棚で発見。内容は、1955年の最後の来日時に京都と東京、大阪の5カ所で講演を収めた4巻。4巻がまとまって見つかるのは初めて。「ヘレンケラー来朝記念録音特集」と記された箱には、点字とともに各講演日時と会場、同校聴視覚教育部による編集であることが書かれていた。

 ヘレン・ケラーが来日したのは、3回で1937年、1948年、1955年。最後の来日となる1955年は、毎日新聞社と日本盲人会連合、日本ヘレン・ケラー協会が共同で招待し、当時74歳であったケラーは、12日間滞在した。

■見つかった講演会場の音源の内訳
 東京のヘレン・ケラー学院(5月28日)
 東京の富士見町教会(31日)
 大阪市中央公会堂(6月2日)
 全国盲人大会が行われた京都府立盲学校(4日)
 京都市上京区の同志社女子大栄光館(同)
 テープの録音時間は計約2時間2分。そのうち、ケラーの講演は通訳の部分を含めて約1時間12分。

■ヘレン・ケラーとは
 アメリカ合衆国の教育家、社会福祉活動家、著作家。1歳7カ月のときに病気にかかり視覚と聴覚の重複障害者(盲ろう者)となったが、個人教師サリバンから言葉の存在や意味、読み書きを学び、大学も卒業した。障害をかかえながらも世界各地を歴訪し、障害者の教育・福祉の発展に尽くした。

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