政府は3月19日、通信アプリLINE(ライン)が日本国内のサーバーに保管されている利用者の個人情報を中国で閲覧可能な状態となっていた問題で、国の行政機関や自治体を対象に利用実態を調べていると明らかにした。
LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号といった個人情報に、アクセスできる状態になっていたことが明らかになっている。実際に中国の技術者から、日本のサーバーに、少なくとも32回のアクセスがあったと判明。
LINEは、国内で8600万人の利用者いる。新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムも開発し、自治体が導入している。保育所の入所申請や粗大ゴミの収集の受け付けなどの行政サービスにLINEを利用している自治体もある。
総務省は、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせの対応などの行政サービスの運用を停止する。また、3月26日までに、行政サービスにLINEを活用しているすべての自治体に対し、利用状況を報告するよう依頼したと明らかにした。
加藤官房長官は記者会見で、政府では、LINEを含め民間企業が不特定多数の利用者向けに提供するサービスを利用する際には、機密情報は取り扱わないように運用している。現在、内閣官房を含め各省庁におけるLINEの利用状況を確認中とした。