佐賀新聞は1月30日に「佐賀県模試の英語問題に疑問の声 イスラム教とテロ結びつけ?」と報道した。佐賀県内の高校生を対象にした英語の設問に、貧困やイスラム教とテロリストを結びつけるような表現があり、佐賀新聞の読者から出題を疑問視する声が佐賀新聞に寄せられた。疑問の声があがったのは、英語の文章を読み解く設問。文章は高校生の作文で、エジプト旅行の体験談として、しつこく絵はがきを売る子どもらに疑問を持ち、父親に理由を尋ねる場面がある。父親は「稼ぐことができなかったら、食べ物を求めてモスクに行き、テロリストになる」と答えていた。文章全体としては、旅行の実体験などを基に、高校生は「困っている人を助けたい」と決意し、貧困や戦争のない社会を願っている。
佐賀県教委の落合裕二教育長は2月2日、記者会見を開き、「教職員の日頃の人権意識や国際問題に対する指導が行き届いていなかった。責任を感じている」と陳謝し、「全体的には世界の貧困や戦争をなくすことに貢献したいとの内容で差別の意図は全くなく、筆者には一切責任はない」と強調した。この問題は県内の高校の教員でつくる部会が作成したもので、部会は不適切だったことを認めたうえで、再発防止に努めるとし、問題作成のチェック体制強化を検討するとした。