株式会社すららネット(東京・千代田区、湯野川 孝彦 代表取締役社長)は、「すらら」のコロナ休校中の学習時間データを分析し、継続利用校の2020年3~5月の学習時間は前年度と比較し310パーセントと、3倍を超える学習を行っていたという研究結果を、日本デジタル教科書学会で発表した。
すららネットは、アダプティブな対話式 ICT 教材「すらら」を、国内では 約 2,100校の塾、学校等に提供している。
すららネットでは、個別最適化した個々の学習記録を詳細に確認できる「すらら」の学習データを用い、新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校休校期間中(2020年2月27日から4月30日、休講終了日は地方・学校によるが一律で4月30日までとして計算)の学習時間を過年度と比較した。対象は2018年度から2020年度の期間「すらら」を継続利用している47校13,138名の中高生。
2018年から2020年における各年3月から5月の学習時間の平均は、2018年が1.1時間、2019年が2.7時間、2020年が8.4時間となり、2019年と2020年を比較すると310.3パーセントと大きく増加したことがわかった。「すらら」にはレクチャー、ドリルという二つの学習スタイルがありますが、特にレクチャーの学習時間の伸びが顕著で、授業を受けられない新規学習単元の学習を「すらら」で行っていたことがわかった。
文部科学省では、児童生徒の標準学習時間を1教科で月約10コマとしており、この情報に基づくと2科目で児童・生徒に必要とされる学習時間は2科目合計で約13時間となる。休校時においても「すらら」が活用されたことにより、休校中の生徒の学習を一定程度補完することができたことを、データが裏付ける形となった。
通常、学年切り替わりの春休みにあたる3月、4月は学校における「すらら」学習時間数が一時的に減少する傾向がある。2020年は3月、4月、5月ともに例年と比較し学習時間は大きな伸びを見せた。学校で学習を進めることができない生徒が「学びをとめない」ために3月、4月に「すらら」で学習したことが推察される。5月の学習時間の微減は、各学校においてオンライン授業等のインフラが整い、一部の授業が実施できるようになったためと思われる。