国土交通省は9日、JR東海と静岡県の協議が難航しているリニア中央新幹線の静岡県内工事をめぐり、事態の打開に向けた提案を双方に行った。JR東海側には必要な手続きが終わるまでトンネル工事に着手しないこと、また、静岡県に対しては工事に向けた準備作業を認めるよう求めた。
リニア中央新幹線をめぐっては、JR東海が静岡県内のトンネル工事に向けて、工事で発生する水を処理する施設の整備など、準備工事の実施を求めているが、静岡県は水資源への影響を懸念し同意しない意向を示しており、協議が難航している。
こうした中、国土交通省は双方に対して、水資源などへの影響が軽微だと認められる範囲内で、準備作業を進めるよう提案する文書を送った。
JR東海は品川-名古屋の令和9年開業を実現するために、6月中に静岡県内の準備工事に着手する必要があるとしていたが、現在も着工できていない。