文化庁の文化審議会国語分科会は3月10日、外国人らに対して日本語を指導する「公認日本語教師」の国家資格創設が必要だとする報告書をまとめた。日本語教師の社会的認知度を高めて優れた人材を確保し、日本語教育の質向上を図るのが狙いだ。
「日本語教師の資格の在り方について(報告)」では就労者(技能実習や特定技能を含む)及び就労希望者に対する日本語教 育を担う人材が不足しており,職業分野別あるいは業種別の日本語教育プログラ ムを実践できる日本語教師が求められ、生活者としての外国人や留学生,日本語指導が必要な児童生徒等,難民等に対する日本語教師のほか,海外に赴く日本語教師など,日本語教育 が必要な分野は広がっていることから,日本語教育の専門性に加えて,様々な経 験を生かし多様な人材の活躍が求められる職業となっている。といった理由から日本語学習者の多様性に対応するため,日本語教師が日本語教育の一定の基礎力を有することを基盤とするとともに、初任・中堅・日本語教育コーディネータ ーといった段階別の研修あるいは児童生徒等や就労者といった対象別の研修を受けられるよう研修機会を充実させていくことも重要である。と指摘している。資格を取得するための要件は3つあり、
1 日本語教師の養成修了段階で身に付けておくべき基礎的な資質・能力を育成するた めに必ず実施すべき内容(以下,「必須の教育内容」という。)に基づいた知識の 有無を測定する試験の合格を要件とすることが適当である。
2 日本語教師に求められる資質・能力のうち,日本語教師に必要な技能・態度に含まれる実践力を身に付けるため,教育実習の履修を要件とすることが適当である。
3 グローバル化が進展する時代において,多様な国籍,背景,ニーズを持つ外国人と向き合い,対応できる日本語教師には幅広い教養と問題解決能力が必要であるこ とから,学士以上の学位を有することを要件とすることが適当である。なお,年齢・国籍・母語を資格の要件としない。