6月25日、「第4回民間教育推進のための自民党国会議員連盟総会」が衆議院第二議員会館で開催された。全国から関係団体や関係者約100名が集い、文部科学省、経済産業省、厚生労働省の各担当者も出席するなど注目度の高さが伺えた。
冒頭、議員連盟会長の下村博文衆議院議員(元文部科学大臣)は、「子供たちの視点に立ったときに学習効果が上がり、尚それが一人ひとりの子供たちのさらなる学力向上だけでなく、これからのチャンスを生かしていく。そのためにはオールジャパンでトータル的に一人ひとりの子供たちを応援するような教育をさらにしていくことは大変重要なことです」と語った。
全国の教育団体を代表して、全国学習塾協会の安藤大作会長が3つの提言をした。安藤代表は、提言に先立って「民間教育は専門性の高い先端的な教育を提供させていただいているだけではなくて、社会的マイノリティを支えるという機能も有しており、今後子供たちを中心とした学校教育と民間教育の強固なパートナシップは、我が国を取り巻く様々な教育課題の改善、解決に貢献すると考えています」と語った。今回提言は、大きく分けて3つ。
- 多様な学びの自由化に向けた子供の時間確保(部活動にかかる指導の徹底)
- 学校教育と民間教育を繋ぐICT環境整備の推進
- 低所得者層等を対象とした学校外教育バウチャー支給
今回の総会では、特に①の課題について議論が交わされた。放課後、あるいは休日の個々の学びをここが主体的に学びを選択できる学びの確保。子供たちが多様性を持って豊かに学びためには、個々の理解度や将来の目標に沿って、学びを自由に選択できる時間が必要。中学では、放課後に部活動を励む生徒が大半だが、学習指導要領において「部活動は生徒の自主的な自発的な参加により行われる」と記されている。
一方で、内申書や調査書の心理的強制も働きながら91・9パーセントの生徒が部に入部しているのが現状。自主練習と称した朝練や夜練、定期テスト前、土日の過度な部活動も散見される。子供たちの多様性を持って豊かなに学ぶ時間を奪うだけでなく、学びを選択する主体性も奪われていると考えられる。
文部科学省及びスポーツ庁はこのような部活動問題を是正するために、運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインを出した。その執行情報を調査、公表して、各教育委員会に向けてのガイドラインの遵守の徹底をしてもらうことも提言された。