6月17日、IT導入補助金説明会とともに、経済産業省で「学習塾業に係る経営力向上に関する指針」の説明会が開催された。
日本の生産性は諸外国と比べて低く、中小企業は特にその傾向が強いことを背景に、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定が用意され、事業別分野指針が出されている。
その中で、学習塾業において指針が出されたのは初めてのこと。この指針を踏まえ、事業者が「経営力向上計画」を申請し、認定されると支援措置、税制優遇が受けられる。
学習塾業が支援を受けられる条件は、大きく分けると2つある。
1つ目が、目標とする指標及び数値であり、労働生産性伸び率が、3年間であれば+1%以上。4年間であれば、+1.5%以上、5年間であれば+2%以上の生産性の向上を計画に盛り込むこと。
2つ目は、実施事項として、以下の事項の中で具体的な取り組みを計画に盛り込むこと。全てに取り組むのではなく、事業者の規模に応じていずれか一項目から三項目の実施が求められる。
1、提供する学習内容に関する事項
EdTechの活用、STEM教育や探究型教育、プログラミングなど新しい学びを提供し、付加価値を提供していくこと
2、設備投資・IT投資に関する事項
設備・IT等への投資から諸改善及び新しいサービスの創造を図る
3、学校教育との連携に関する事項
学校教育との連携
4、安全安心に関する事項
特に災害時の対応も含まれる
5、人材に関する事項
6、財務・マネジメントに関する事項
7、知的財産に関する事項
8、経営資源の組み合わせ
また、金融制度措置として、以下の融資や保証を用意し、資金調達を支援していく。
1、商工中金による低利融資
2、中小企業信用保険法の特例
3、中小企業投資育成株式会社法の特例
4-1 日本政策金融公庫による低利融資
4-2 日本政策金融公庫によるスランドバイ・クレジット
5、中小企業基盤整備機構機構による債務保証
6、食品流通構造改善機構による債務保証
経営力向上計画の提出先は、各地担当の経済産業局になっている。
経営力向上計画の相談窓口は以下の通り、
・中小企業庁 事業環境部 企画課
03-3501-1957(平日9:30-12:00、13:00-17:00)
・中小企業税制サポートセンター
03-6281-9821(平日9:30-17:00)
また、今回の説明会を主催した公益社団法人全国学習塾協会は、今年設立30周年を迎えた。それを記念して、1年間(令和元年6月9日~令和2年6月8日)の入会促進キャンペーンをスタートし、正会員への入会金(3万円)が無料となっている。
正会員の対象者は、「小学校、中学校、高等学校などに通う児童、生徒、学生を対象とし、学力と学ぶ力の向上を指導する学習塾をはじめとする民間教育業を営む法人及び個人」。
入会の案内はこちら(https://www.jja.or.jp/nyukai/)。