月刊私塾界2019年2月号(通巻454号)

巻頭言

「先生、合格したよ!」の報に沸き立っていることであろう。これまでの努力が喜びに変わる瞬間だ。

AI(Artificial Intelligence、人工知能)、RPA(Robotic Process Automation)、働き方改革の単語を見聞きしない日はない。読者諸氏も関心がおありであろう。関心の高さは、塾長や幹部の方々から受ける質問や問い合わせの多さからも窺える。

「AIでこのような課題を解決できた」、「このような事務作業にRPAを導入し、作業時間が3分の1になり、残業を60%も減らすことができ、働き方改革が少し前進した」などの報告に接する機会も増えた。喜ばしい限りである。

 ところが困った問題がある。

「AIを活用したいが、何に利用できますか」。更に「RPAを導入して、この作業を改善したい」、「改善して浮いた時間はどうするのですか」、「……?」。AIを導入して何を解決したいのか、RPAを導入した先に何をやりたいのかがあるはずだ。ところがそれがない。手段が目的化しているのである。

 新たな技術に興味を持ち、利用することは歓迎だ。しかし、「何のために」が明確でなければ、物事は改善されない。あるべき問題意識は、「こういう課題があるので、AIを使いそれを解決できないか」であるべきだ。 貴塾では如何だろうか。教育ICT機器を導入するのは何のためだろうか。プログラミング学習を始めるのは、何を解決するためであろうか。AIやRPAを導入したり、働き方改革を実行する場合だけではない。

(如己 一)

目次

  • 8 CatchUp01 アデック 子供に寄り添いながら、生きる力を養う
  • 10 SPECIAL REPORT 私塾界 PREMIUM SEMINAR 2018
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 43 【特集】異変あり?! 生徒募集の最前線
  • 56 シリーズ〔プログラミング教育必修化にともなう民間教育サービスの対応を考える〕第3回
  •   「民間教育だからこそできるサービスを実践」
  • 60 TOP LEADER Interview 株式会社 学究社 人間的なつながりを基にした教育へ、原点回帰。
  • 72 教育サービス業界 企業研究(75) スタディスタジオ株式会社 
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(301)
  • 76 疾風の如く(115) aoi(株式会社花形)(京都府) 代表 染谷 大さん
  • 78 好機到来(46) みんなの塾代表 諏訪間 雄聖さん
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(69)
  • 82 白書界隈徘徊話(47) 西村克之
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(53) 中谷彰宏
  • 86 塾の家計簿(21)
  • 88 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(67)
  • 89 芸術見聞録(67)
  • 90 ぼくの幼児教育考(8)
  • 91 塾長の机
  • 92 為田裕行の「教育ICT行」(47)
  • 94 英語教育 どう変わらなければならないか(8) 田中 茂範
  • 96 林明夫の「歩きながら考える」(162)
  • 98 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(23)
  • 100 私塾界インサイト(11)
  • 104 咲かせよ桜(50) 小林哲夫
  • 108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(69)
  • 110 論点2019(2) スーパーグローバルハイスクールの今後
  • 114 編集後記
  • 116 Book Review
  • 118 塾長のためのガジェット講座

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