2019年版QSアジア大学ランキング 東京大学は11位へ上昇

大学ランキングの編集者であるQS Quacquarelli Symondsは、最新のアジア大学ランキング上位500校を発表した。10回目となる今回のランキングでは、シンガポール国立大学が1位の座を取り戻し、東京大学は2ランク上昇し、2015年以降最高位となる11位にランクインした。中国本土の大学がランクを上げている。日本の大学はアジアの他の大学同様、研究生産性の改善に苦戦していることが伺える。

日本の大学は89校がランクインし、その内4校が上位20位以内にランクインしました。11位の東京大学に続いたのは、京都大学(14位、昨年比3ランク上昇)、大阪大学(16位、昨年比1ランク上昇)、東京工業大学(18位、昨年比4ランク低下)でした。
東京大学は、アジア全土で最も権威ある大学であり、QS’s Academic Reputation(学術的な評判)指標において当地域における最高得点を達成しました。
企業等をはじめとする雇用者も、東京大学の卒業生を高く評価しており、QS’s Employer Reputation(雇用者からの評判)指標では満点(100/100)を獲得しました。
国際的研究ネットワークを各大学がどの程度構築しているかを測定するInternational Research Network(国際的な研究ネットワーク)指標を今年から新たにランキングに導入。この指標において日本からは6校が上位20位以内にランクインしました。これはアジアのどの国よりも多く、日本の大学が国際的な共同研究に対し積極的な姿勢を有していることを示しております。
一方、日本の大学が教員の増員に苦戦していることを示しおり、評価はアジアの他の国と同等でした。学生に対する教員の比率を表すFaculty/Student Ratio(学生に対する教員の比率)の指標では、今回ランクインした国内大学89校のうち70校の評価が低い結果となりました。
日本の大学の研究能力がアジアの競合大学と比較して落ちているというデータもあります。 教員一人当たりの論文発行数を示すPapers per Faculty(教員当たり論文発行数)では、日本の89校のうち77校で、今年度は(昨年より)低いランクとなっております。

QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター(Ben Sowter)は本ランキング結果に関して「アジアは恐らく世界で最も高等教育機関の競争が激しい地域であり、政府や民間企業等からの投資規模はこの地域の意欲の高さを現している。日本の上位大学は今年度も広い分野において競争力を維持していますが、今回の結果を総合的に勘案すると、今後も競争力を維持するためには研究開発と教育提供にさらなる投資が必要であると考えられます。」と述べている。

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