各国で「学びの革命」が行われている。その中、経済産業省は、「第4次産業革命」「人生100年時代」「グローバル化」などを捉え、EdTech・個別最適化・ 文理融合(STEAM)・社会課題解決をキーワードに、効率的な知識習得と創造的な課題発見・解決能力育成を両立する新たな学習プログラムの開発・実証を行う「『未来の教室』実証事業」を進めている。10月17日には、第2次公募追加採択が発表された。
株式会社スプリックス(東京・豊島区、平石明社長)は、同社が運営する学習塾「自立学習RED」の公教育導入を実証する。自立学習REDは、AI(人工知能)を活用した個別最適化学習プログラムを提供している。この基幹エンジンに使われている「eフォレスタ」は、主に中学校の定期テストの点数獲得を目的として、教科書に準拠した形で同社が開発したもの。
スプリックスは、「未来の教室」における「探究プロジェクト(STEAM)」に取り組む土台となる「教科学習」の体系を、eフォレスタの活用により総合的に構築する。また、将来的な公教育と民間教育の連携も視野に入れる。
スプリックスの常石博之副社長は、「REDのeフォレスタを学校のメインシステムとして使うと想定し、その修正箇所を研究してもらうものです。実証から得られたデータをもとに、主要5教科全てについて設計し直したあと、実装していく足の長いプロジェクトになる予定です」と、本事業について語る。
株式会社キャタル(東京・渋谷区、三石郷史代表)は、同社が提供するライティング添削プラットフォーム「Rewrites(リライツ)」を用いた学校教育プログラムが採択された。
Rewritesは「書く」「フィードバック」「書き直す(リライト)」を繰り返すことで英語力の向上を目指す。ICTを活用し、世界の名門大学出身者やバイリンガルなど、英語の高いライティング力を持つ教師から指導を受けることができるもの。
生徒が、Rewritesに物語のサマリーやエッセイなどの文章を入力し提出すると、1週間程度でフィードバックが届く。フィードバックには、動画によるメッセージと、文法の指摘やネイティブがする言い回しのアドバイスなどを一文ずつ丁寧にコメントしたテキストの2種類が用意される。書き直したものを再送付すると、再度フィードバックを受け取ることができる。このサイクルを繰り返すことで、高いライティング能力の習得を目指していく。