「障害のない社会をつくる」というビジョンの下、障害者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業を全国展開する株式会社LITALICO(東京都・目黒区 長谷川 敦弥 代表取締役社長)は、スマート補聴器を開発する韓国のスタートアップ企業「Olive Union, Inc.」への投資を実施した。
■ 難聴に関する社会課題と検討背景について
国内だけでも約1500万人(全世界約7億人)*が難聴とされているが、難聴者の補聴器利用率は13.5%*と非常に低水準に留まり、多くの方が困難さを抱えたまま日常生活を送っている。同社では、“平均価格が10~20万円と非常に高額である”ことと、補聴器に対する“ネガティブな社会認知”が普及のハードルになっていると考え、それらを解決し得る、既存の流通チャネルと商品設計に囚われないIoT機器としての全く新しい補聴器である「Olive」に可能性を感じ、投資検討を行うに至った。*出典:JapanTrak2015
■ 「Olive Union」の取り組みと今回の投資について
Olive Unionは2016年に韓国で創業したスタートアップ企業だ。スマート補聴器「Olive」は、従来の補聴器とは異なり、スマートフォン連携を前提として設計し、補聴器専門店に来店する必要のあった聴力検査・調整をアプリ上で行うことを可能とした。これにより、設計・製造・流通等の各コストを大幅に削減することを実現し、高性能ながら安価に入手できるとともに、一見して医療機器には見えない、デザイン性に優れた革新的なプロダクトを開発した。昨年、米国クラウドファンディングサイト「indiegogo」では80万ドル以上の支援が集まり、米国食品医薬品局(FDA)の承認も得て、今秋に韓国に加え、アメリカでも199ドルで販売を開始する予定です(現在のところ、日本国内での発売は未定)。