「愛される塾には理由がある!」 全国学習塾協同組合が勉強会を開催

全国学習塾協同組合(AJC)は11月19日、第6回パロス塾運営勉強会を開催した。隔年で開催している本勉強会の、今回のテーマは「愛される塾には理由がある」。3名の講師が、それぞれ有益な講演を実施した。初めに登壇したのは、さくら労務コンサルティング 特定社会保険労務士の浦島行徳氏だ。浦島氏は学習塾特有の「コマ給制度」には落とし穴があることを紹介。また申告制の出勤管理では労働基準監督署から指導を受ける可能性が高いことから、タイムカードに変えるべきであること、さらにはアルバイトであっても有給が発生するため本人から要望があれば支給しなければならないことなど、塾経営における様々な盲点を指摘した。

続いて、習志野市で40年にわたり塾を運営している修学舎 塾長の玉城邦夫氏が講演。塾を立ち上げてから多くの先生のところへ見学に行っているという玉城氏は、現在でも毎月のように千葉県内の塾へ見学に行っており、今あるのは仲間のおかげであると述べた。またアンテナを立ててほかから学ぶ塾は伸び続け、そうでないと衰退していくと強調。修学舎で実践していることは何でも伝えるため、その代わりに効果のある取り組みを1つ教えてほしい、そしてAJCに入会してほしいと訴えた。さらに生徒を集めるには「限りなく安くすること」「実績を確実に上げること」の2つに尽きると主張した。

ラストは千葉市の学習塾、青葉学院 塾長の佐久田昌知氏が講演。佐久田氏は自塾の取り組みをざっくばらんに紹介した。例えば生徒獲得コストは1人につき2〜3万円で、チラシ3千枚で1人、DM400枚で1人獲得できているという。そのため生徒100人増やすには300万円ほど必要であるが、もし広告費が年間売上の5%に達した場合はコストのかけ過ぎであるとした。

また、入会相談では塾側から質問することが大切であるほか、学校生活において「欠席」は内申書に響くが、「遅刻」であれば問題ないなど、塾に入っていなかったら知り得なかった情報を伝えることも必要だと説明。さらに成績下落による退会を防ぐため、一時的に成績が下がるかもしれないことを入会時に伝えておくことが重要で、退会の申し出があってから伝えたのでは言い訳にしか聞こえないので気をつけるべきだとした。様々な具体例を挙げながら詳細にわたる情報が提示された講演に、参加者は多くの気づきを得たに違いない。

みんなが私塾界!