株式会社東京個別指導学院(東京都新宿区)は10月4日、2018年2月期第2四半期決算説明会を都内で開いた。
はじめに、執行役員CFOの阿川靖氏が、2017年8月末在籍生徒数3万3075名、前年同期比6・8%増と、過去最高を更新したことを報告。小中高バランスよく在籍しており、当期の入会者数も前年同期比9.6%増とこちらも過去最高を記録した。売上高は89億1800万円で、前年同期比7・5%増。在籍講師数の厚みを背景に提案力を強化したことが、夏期講習会の売上高増加の大きな要因だという。
続いて代表取締役社長の齋藤勝己氏が報告。単年度の目標達成も大事だが、同社では次年度に向けた準備を続けており、昨年は今年度を見越して既存教室の増床・増席や移転などのキャパシティ拡大を実施。それが上期の大きな成功につながっているという。
また、在籍生は高校生が半数以上を占めるため、大学受験結果は大きな指標であるが、同社では難関大学の合格者数が伸長している。要因としては大学受験まで導ける優秀な講師の確保と研修に成功していること、また大学入試は多様化しているので、15年に社内に進路指導センターを設置し、最適な進路指導を実現してきたことが挙げられる。
講師確保にあたっては構造改革をおこない「集める」から「集まる」に意識変化。今の講師の満足度を高めることに注力したことで、高3生が大学合格後、講師になってくれているという。2014年5月末の講師数は6800名だったが2017年5月末時点では9000名を超えた。
また、出店戦略も「点」から「面」へ移行し、既出店エリアに新教室を増やした結果、あるエリアでは15年からの2年間で生徒数が153%増加、一方で1教室あたりの広告宣伝費は40%減を達成した。さらにベネッセグループのシナジーを活かし、進研ゼミ現会員・元会員にDMで同社の情報を紹介しているほか、ベネッセブランドを活用して東京都港区立小学校や三越伊勢丹などで出張授業を実施し、認知の向上に成功している。
経産省の「おもてなし規格認証2017」の【★★紺認証】も取得している同社は、2020年に向けて来期からの新中期経営計画「To go for the NEXT ~ホスピタリティ経営2020~」を策定し、9期連続増収を目指していく。
具体的な戦略としては、大学入試改革を機会に、ベネッセのオンライン英会話を導入。現在25教室でテストを実施しており、18年度には全教室に導入予定。
また、毎年8教室を目安に新規ドミナント出店を実施するほか、人財育成も強化。毎年春に、教室長と講師がともにPDCAを回し教室運営を改善する「TEACHERS’ SUMMIT」を開催しているが、今後は主体的に学ぶ「TEACHERS’ SUMMITアカデミー(仮称)」の開催も計画している。