学習支援を心理学から学ぶ講演会が開催

小中学生の子供を持つ保護者が参加した

学習支援こどもみらい園(東京都足立区、斉藤幸枝園長)は、東京未来大学と連携して「学習支援の心理学−意欲を育む学習法」をテーマにした講演会を、3月12日に開催した。
 同園は、「勉強が苦手」な小学生から中学生を対象とした学習支援塾。講演会では、小学生から中学生の保護者を対象に、子供たちの勉強意欲を引き出すヒントが心理学の理論を交えながら語られた。

講師を務めた東京未来大学モチベーション行動科学部講師の小林寛子氏

 講師を務めた東京未来大学モチベーション行動科学部講師の小林寛子氏は、
「学習を継続していくためには、多様な動機づけをしていくことが大事になります」とモチベーションについて語る。その上で、「内発的動機づけ(自分の興味・関心)で学習することは質の高い学習を促すと言われますが、どうしても興味が持てないときはある」と説明する。
その際に、外発的に動機づけること(例えばご褒美を与えるなど)は、学習の始発点になり得る。学習を始めてみることでその面白さが分かり、内発的動機づけが高まることもあるだろう。しかし、報酬の与え方には注意も必要だ。内発的動機づけがすでにできている子共の成果に対して報酬を与えてしまうと、内発的動機づけが低減する現象が生じる(アンダーマイニング効果)。
 このように、効果的な報酬の使い方など内発的動機づけと外発的動機づけの特徴を知ることは、子供のモチベーションを高めるポイントになる。
 また、子供の「自己効力感を高める」ことがモチベーションの維持に繋がる。他者との比較で評価するのではなく、自分自身が「努力できる存在である」と認めることが重要なのだ。そのためには、
「100点満点中、70点だったとしても、まずは70点を褒めるようにしてほしい。そして、できなかった30点を咎めるのではなく、『どうしてできなかったのか』を一緒に考えてあげてほしいです」と小林氏はレクチャーした。
 講演会では、参加者同士で意見を交わす場面もあり、参加した保護者にとっても有意義な時間だったことだろう。
 学習支援こどもみらい園は、今後も大学と連携したイベントを開催していく。

ディスカッションの機会も設けられ、小林氏も保護者の意見を聞いていた

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