1月28日、大阪府豊中市のアクティブ・ラーニング・スタジオで「初めてのプログラミング体験」という無料の講座が開かれた。株式会社アップ(兵庫県西宮市)が、ベネッセ・コーポレーション(岡山県)と協力して運営する同スタジオでは、さまざまなアクティブ・ラーニングの教室や講座が開催されている。
今回はソフトバンクの人型ロボットPepperが3台用意された。集まったのは小学2・3年生の11名。子どもたちは3班に分かれ、各班に1台ずつ割り当てられたPepperと一緒に、参加者や保護者の前で漫才をするのである。そのためにPepperの動きと音声を考えプログラミングしていく。
まずは漫才の台本を作ることからはじめる。数回のやりとりで必ず“オチ”がなくてはならない制約の中、子どもたちは次々と意見を出し合い、15分ほどで台本を完成させた。
Pepperのプログラミングにはコレグラフという専用のソフトを用いる。複雑なコードを覚える必要がなく、パソコンの画面上で動きと音声がセットになったボックスをクリックするだけで簡単に扱える。子どもたちはベネッセの「先生」や「プログラミング博士」の助けを借りながら、すぐに操作に慣れ、台本で思い描いた通りの動きや音声をプログラミングした。Pepperが指示した通りに動くと、子どもたちから歓声が上がった。
各班の漫才はどれもPepperの特徴を活かしたオリジナリティあふれるものだった。例えば「じゃんけん」という漫才は、Pepperのある動作をじゃんけんのパーに見立てたアイデアが目を引いた。腕を出すタイミングを、Pepperとコンビを組む役と、パソコンを操作して司令を与える役の子どもが繰り返し練習していた。各班にはセリフを書いた画用紙を観客側から見せる「カンペ役」もいて、セリフを忘れても漫才ができる工夫が凝らされていた。
ロボットのプログラミングをするだけではなく、チームが一丸となって一つのものをつくりあげた今回の体験会。保護者からは「子どもがロボットと漫才をするのが見ていても面白く、プログラミングを学ぶ導入に最適」という声があった。司会を担当した株式会社アップの小西穂積氏は「手応えを感じました。今後もプログラミングの講座を開催していこうと思います」と語った。今後の展開が楽しみだ。