沖縄尚学高等学校附属中学校(沖縄県那覇市)の創立30周年記念講演会・祝賀会が、1月21日に同校で開催された。その記念講演会には、学校法人尚学学園の名城政次郎理事長と名城政一郎副理事長が登壇した。
名城政次郎理事長は、「怖れず 侮らず 気負わず」を演題にして講演。同校は、経営難に陥った沖縄高等学校を引き継ぐ形で政次郎氏が創立した歴史があるが、当初を「何ひとつ明かりがなかった」と政次郎氏は振り返る。
しかし、今では中高合わせて約2000人の生徒が在籍し、東京大学をはじめとし、難関大学に多数合格者を輩出している。また、部活動に置いても、全国大会で優勝する部が数多くある文武両道の学校となっている。
祝賀会でも、吹奏楽部・合唱部の力強い演奏によるBGMが流れ、アトラクションとして空手部の部員たちによる空手演武も行われた。同校では、沖縄の、日本の文化を学び、グローバル教養人としての資質を身につける一環として、部活動だけでなく、空手が必修科目にもなっている。
「本当の意味での人間力と学力を伸ばす進学校としてこれからも歩んでいきたい」と、政次郎氏は語った。
名城政一郎副理事長は、「強くて優しい文武両道のグローバル教養人」を演題に目指す教育を語った。
「〝グローバル教養人〟を育成するためには、『どうにかする力』を育まなくてはいけない」と政一郎氏は言う。その上で、同校では「基礎をやり切り、勝負の場で出し切る」体験を通して、「どうにかする力」を育んでいる。
政一郎氏は、日本の教育が目指すものは、グローバルにあわせすぎなのではないか? と疑問も呈し、「日本が元々持っているグローバルに価値があるものをもっと自信を持って世界に提供するべき」とグローバル化に対する現在の日本の教育について提言した。
創立30周年を迎えた中学校とともに、高等学校も今年度に日本初の国際バカロレア取得者を輩出するなど、新たなチャレンジが身を結び始めている。沖縄尚学のさらなる躍進を期待したい。