松戸市はこの9月より、市内の全公立保育所17か所において、ネイティブ講師による「英語あそび」をスタートした。規模の小さい町や一部保育所での導入事例はあるものの、人口50万人規模の都市の公立保育所で、一斉にこうした活動を採り入れるのは全国初となる。
これまでも松戸市では小学校5年生からの英語教育に力を入れていたが、今年9月から小学校1年生に対象を拡大した。この小学校での英語教育に連動する形で、保育所での「英語あそび」の導入に踏み切った。松戸市では今年4月に待機児童ゼロを達成するなど子育て支援に力を入れている。本事業も保育の充実の一環として、幼児期の子どもが異文化体験や国際交流をすることで、豊かな人間関係を育みながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、国際化に対応できる人材の育成につなげたいとしている。
「英語あそび」の対象は年長にあたる5歳児クラス。活動の実施期間は16年9月から17年2月までだが、次年度以降も継続する予定だという。実施頻度は1保育所あたり月1回で、1回の活動時間は約30分〜40分だ。
この事業を受託したのは株式会社ZEホールディングス(ZEHD)傘下の株式会社エデュケーショナルネットワーク(東京・千代田区)で、同じくZEHD傘下の株式会社シェーンコーポレーション(同)と連携して保育所にネイティブの講師を派遣し、活動を実施する。松戸市は事業委託に際し、保育の中で子どもが楽しく活動できるように、集団指導の経験が豊富なネイティブ講師の派遣を委託している。
初回の授業に参加した子どもたちは、カードに合わせて走る・歩く・ジャンプするといった運動をしたり、カードに描いてある色と同じ色を教室内で探したりするなど、楽しそうに英語に親しんでいた。また、オールイングリッシュによる授業は初めてだったにもかかわらず、講師の言っていることを理解しているのが印象的だった。活動を受けた子どもからも「英語で遊べて面白かったし、英語が好きになりそう」といった声が聞かれた。
松戸市の担当者は「オリンピックの後だったということもあり、子どもたちが外国に興味を持っていた。子どもたちがネイティブ講師と遊ぶ中で英語にふれ、言葉や異文化に興味をもってもらいたい」と話す。