巻頭言
ヤマト運輸と地方路線バス会社間の業務提携が拡がりをみせる。一例を示す。
昨年、ヤマト運輸は岩手県北バスと「客貨混載」事業を開始した。路線は、北上~盛岡~宮古~重茂半島と150キロ以上に及ぶ。この区間を、北上~盛岡~宮古間の「ヒトものバス」と、宮古~重茂半島間の「客貨混載」の二つに区分する。前者はバス後部を改造し、荷物をフォークリフトでパレットごと積み降ろしできるようにした。後者は、乗降口付近の座席を改造し、荷物を積めるようにした。前者におけるヤマト運輸のメリットは、トラック便を減らせることだ。朝晩は輸送する荷物は多いが、日中帯は二ケタ少ない個数となる。これに対し後者は、重茂半島担当セールス・ドライバー(SD)が、日中宮古営業所に戻る必要がなくなる。それにより、SDの重茂半島滞在時間が伸び、サービス向上へと繋がる。例えば、お年寄りがスーパーに頼んだ買い物を、SDが届けるついでに安否確認もする「まごころ宅急便」サービスに、より多くの時間を割けるようになる。その結果、扱う荷物の量が1・5倍に増えた。
バス会社は収入が増え、特に廃止が進む過疎地のバス路線を存続できる。Win―Winの取組だ。
国土交通省は過疎地の物流対策として、同じような事柄を掲げる。「貨客混載」だ。ヤマト運輸が提唱する「客貨混載」と順番が逆だ。ヤマトのヤマトたる所以である。
是非、読者諸兄も知恵を絞り、八方良しの業務提携や商品開発に取り組んでもらいたい。
(如己 一)
目次
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【2016年6月号 目次原稿】
- 6 CatchUp1 全教研
日本と東南アジアのプログラミング教育を牽引する - 8 CatchUp2 日本漢字能力検定
本部機能を京都祇園に移転し、更なる進化を展開する日本漢字能力検定 - 10 CatchUp3 ショウイン
自立学習をリードするショウイン式 - 12 私の教育 本田由紀・東京大学大学院教育学研究科教授
受けてきた教育から、教育を考えるように - 18 挑む大学 芝浦工業大学
創立100周年に向け、さらなる飛躍を目指す - 22 Special Report
第3回 アクティブラーニング・フォーラム - 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 52 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 53【特集】
最新塾教材目録2016 - 68 HOT TOPICS・1 私学の未来を考えよう! ユーデック主催「夢・教育セミナー」
- 70 HOT TOPICS・2 四国進学会と学進の係争に判決が下される
- 72 HOT TOPICS・3 学生たちがブランドをデザインする『BranCo! 2015』
- 74 HOT TOPICS・4 注目の「トビタテ!留学JAPAN」に迫る
- 76【TOP LEADER】
幼稚園から英語教育を推進する。
GrapeCity & 学校法人 宮城明泉学園 - 88 新しい塾のカタチ NPO法人アスイク
- 92 挑む私学 宮城学院中学校高等学校
- 94 短期集中連載「自立学習」を超えて!(4) 山田徹雄
- 96 教育サービス業界 企業研究(44) 株式会社Sapiens Sapiens
- 99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(270)
- 100 疾風の如く(83)ステップアップ塾(東京都)塾長 濱松 敏廣さん
- 102 好機到来(14) 株式会社スタディラボ 代表 地福 武史さん
- 104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(37)
- 106 白書界隈徘徊話(15) 西村克之
- 108 自ら動き出すチームにする方法(21) 中谷彰宏
- 110 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(35)
- 111 芸術見聞録(34)
- 112 高校生からの子育てハイウェイ(14)
- 113 クロスワードパズル「塾長の机」
- 114 為田裕行の「教育ICT行」(14)
- 116 塾ソムリエの講師研修指南 西村 則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(7)
- 118 林明夫の「歩きながら考える」(130)
- 120 咲かせよ桜(19) 小林哲夫
- 124 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(38)
- 126 論点2016(6) アクティブ・ラーニングと教員養成
- 130 編集後記
- 132 Book Review
- 134 塾長のためのガジェット講座