黒、赤、青のペンを片手に、授業力を競う

授業を行う森﨑先生2016年度Q1グランプリが、5月13日に開催された。このQ1グランプリは、神奈川を中心に関東圏で進学塾、予備校を展開する湘南ゼミナールの模擬授業大会である。
今回で4回目を数えるQ1グランプリの決勝に残ったのは、地域の予選を勝ち上がった7名の講師たち。チャンピオンを目指して、それぞれのQE授業を披露した。
QE授業は、湘南ゼミナールオリジナルの授業で、QEは、「クイックエクササイズ」の略。この授業の特徴は、テキストを使わず、先生が生徒に直接問題を出し、生徒に考えさせるところにある。そして、先生は一問ごとに必ず挙手確認などで生徒の理解度を見極め、理解度に応じて次の問題を出す。生徒が能動的に考える機会を作ることで、学力だけでなく生徒の生き抜く力を引き出すことが狙いにある。
決勝戦を戦った7人の先生たち(優勝トロフィーを持っているのが森﨑先生)Q1グランプリのルールは、12分間の持ち時間の中で、講師各々が考案したオリジナルQE授業を、生徒役の講師に向けておこない、審査員の審査によってチャンピオンが決まる。
そして、7名の精鋭たちの中からチャンピオンに輝いたのは、宮崎台教室の森﨑重盛先生だ。森﨑先生は、過去すべての決勝に残ったが、あと一歩のところで優勝を逃していた。しかし今回、4回目にして念願のチャンピオンとなった。
算数・数学を担当する森﨑先生は、今回、小学5年生の単元である分数の割り算の授業を行った。分数の割り算について、図などを用いて概念から丁寧に教えた。問いかけは絶妙で、生徒たちが自ら答えを導くように工夫された、見事な授業であった。
優勝トロフィーをかかげる森﨑先生森﨑先生が普段心がけていることは、〝教えないこと〟だそうだ。生徒が、自分自身で答えに気づけるように常に心がけ、授業をおこなっている。そして、必ず〝褒める〟と言う。何よりも生徒に自信をつけてもらうためだ。
また、Q1グランプリは、授業力を競う場であると同時に、他の先生の授業方法を学び、共有する場でもある。つまり、先生各々の授業力を底上げできる絶好の機会となっている。
森﨑先生は、
「目の前にいる生徒を大事にした授業をしたいです。それを若い先生にも少しずつ波及させていきたいと考えています。そういった意味で、Q1グランプリはいい機会だと思います」と、最後に語ってくれた。

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