徳島県の学進と四国進学会との係争 高松高裁が一審地裁判決を覆し全面的に請求を棄却

四国進学会株式会社(徳島県板野郡藍住町、森晃代表取締役)が、2014年7月31日、元講師や株式会社学進(徳島県徳島市、山本俊輔代表取締役)の関係者を相手取り、損害賠償請求訴訟を徳島地方裁判所に提訴した。「生徒引き抜き」が争点となったこの係争は、高松高等裁判所にて控訴審が行われていたが、今年4月14日に判決が出た。

判決の主文によると、
1 原判決中控訴人ら(※学進、及び関係者ら)敗訴部分を取り消す。
2 前項の部分に係る被控訴人(※四国進学会)の請求をいずれも棄却する。
3 被控訴人の附帯控訴をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、第1、2審とも、被控訴人の負担とする。
(※原文のまま。ただし、カッコ内は、編集部付記)
と、なった。

つまり、「株式会社学進及びその関係者らに対する損害賠償請求は、いずれも理由がない」ことであり、生徒引き抜きはなかった、と高松高等裁判所は断じた。

この判決を受けて、株式会社学進の山本俊輔代表取締役は、「弊社はいかなる誹謗中傷にも屈せず、学習塾の本分に従い、保護者の皆様と共に子どもたちの学力向上・人間力向上にひたすら邁進して参ります。また、教育機関としての品位を保った塾業界の健全なる発展にも、微力ながら貢献していく所存です」と、コメントを発表。

なお、四国進学会にはこの判決について電話でコメントを求めたが、森代表が不在のため、コメントは得られていない。同社のサイトには、現在も「重要なお知らせ」として「教育業界を揺るがす『不法行為』に法の審判がくだされました。平成27年8月26日に徳島地裁にて『不法行為』が認められ、四国進学会グループが、見事『勝訴』しました」との文章と、要約文が掲載されたままだ。(4月19日 19時00分時点)

一部の業界関係者らからは、戸惑いの声が挙がっていたこの係争。また、徳島地方裁判所での判決を、一部媒体が誇張して記事を掲載し、混乱を招くなど、実態が掴めなかった係争であったが、高裁で判決が出されたことは歓迎すべきことである。

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