“世界市民”の育成を目指す関西学院大学 国連・国際機関へのゲートウェイを創設

10月21日、関西学院大学(兵庫・西宮)は、今年2月より実施している定例会見を都内で開催した。首都圏での認知度向上を目的とした本会見には学長の村田治氏と、副学長の神余隆博氏が出席。冒頭、村田氏は、就職・進学決定率は89・3%と、4000人以上の学生を擁する全国私大で8年連続1位という同学の強みや特徴、歴史などを紹介した。

SGU(スーパー・グローバル・ユニバーシティ)に採択されている関西学院は「グローバル・アカデミック・ポート」構想を掲げ、日本と海外の学生・教職員が頻繁に行き来して協働する、国際性豊かな学術交流の母港づくりを目指している。その構想の1つとして推進しているのが「国連・国際機関へのゲートウェイ創設」だ。

関西学院大学の村田治学長

関西学院大学の村田治学長

なぜ関西学院が、国連をはじめとする国際機関で活躍できる人材を育成したいかというと、同学は”世界市民”として生涯を送ったW.R.ランバス氏によって創設されているためだ。ランバス氏に倣い、公共性の高い国際機関へ人材を輩出したいと考えている。

ゲートウェイ創設の第一歩として、10月24日には外務省と連携した「関学国際機関人事センター」を開設。外務省国際機関人事センターと連携しながら、国際機関で活躍するまでの道のりを長期的にサポートできるようにする。

また、16年にはSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)に採択されている関西学院高等部、関西学院千里国際高等部の2つの院内校、および院外のSGH校を対象に、元国連事務次長の明石康氏を招いて「明石塾」もスタートさせるつもりだ。これによって、早い段階からグローバルリーダーを育成していく。

さらに、17年には「大学院博士課程前期課程」(修士)および「大学院専門職課程」(専門職学位)の副専攻プログラムとして「国連・外交コース」も設置する計画だ。このコースでは全科目を英語で授業する他、国際機関などでの2〜3か月のインターンシップが必修となる。第1期生は16年春から募集を開始し、定員は20人程度。村田学長は「国内の大学を卒業後、渡米して国連職員になるケースがほとんどだが、それでは意味がない。日本の大学を出て国連の職員になれるよう、本コースを開設する」と話した。会見では同学の16年度の入試についても紹介。関西地区の大学ではめずらしい「補欠合格制度」を導入し、定員通りの学生を募集する方針だ。

西宮上ヶ原キャンパスでは、著名建築家のW.M.ヴォーリズの手によって1929年に設計・建築された建物が多く現存しており、スパニッシュ・ミッション様式の美しい建築を見ることができる。

西宮上ヶ原キャンパスでは、著名建築家のW.M.ヴォーリズの手によって1929年に設計・建築された建物が多く現存しており、スパニッシュ・ミッション様式の美しい建築を見ることができる。

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