京都市に新設される公立高校が今、注目を集めている。京都市立洛陽工業高等学校(京都市南区)と、同市立伏見工業高等学校(同伏見区)が統合し、旧立命館中・高等学校跡地に2016年4月に開校する京都工学院高等学校だ。先日、学習塾関係者向けの説明会も実施し、関係者に大きな反響を得たばかりだが、5月30日に開催した一般の保護者・中学生向けに説明会では、事前申込の1130名と当日参加も含め1,200名を越える参加となった。800人収容のホールに入り切らず、中継された映像をスクリーンで放映する別室のサテライト会場を用意するほどの盛況ぶりだ。
同校の校名は、「ものづくり都市・京都」から全国へ、そして世界へ羽ばたいてほしいという願いを込め、命名。「技術」、「社会」、「貢献」をキーワードに、京都府内全域から募集をかける。設置学科はプロジェクト工学科(仮称)とフロンティア理数科(仮称)。高校卒業後、それぞれ技術系企業への就職、理工系大学への進学を目指す。
教育活動の土台となる2つの取組みの一つ目は「プロジェクトゼミ」。大学・企業・地域と連携しながら、グループワークを通じて問題解決を行い、「つくる楽しさ」、「工夫する喜び」、「一緒に取り組む面白さ」、「社会に役立つ技術を生み出す」などを目指して行く。もう一つは「STEM教育」。科学、技術、工学、数学の一体教育を行い、新たな発見や柔軟な発想力、問題解決力を身に付けることを目的としている。
また、その他の特徴として、質の高い主体的な学びを目指し、「アクティブ・ラーニング」を全面に導入。1人1台タブレットPCを利用することも検討している。
京都大学、和歌山大学、京都工芸繊維大学、JAXA、金沢工業大学、産業能率大学などとも積極的に連携を取り、高度で最先端の知識・技術・考え方に触れ、生徒のより深い学びとやる気を促すことを目指す。
会の冒頭にて挨拶をした同高校の準備室室長である砂田浩彰氏は、「グローバル人材を高校生の段階から育成してく社会の流れに柔軟に対応できるようなキャリア教育をしていきたい。新しい学校の1ページをみなさんと共に作っていきたい。世界に、そして宇宙に発信できる素晴らしい学校にしたい」と述べた。
担当者による全体説明の後、校内に設置した個別相談ブース、ICT教育体験会、展示ブースなどにも熱心な保護者・中学生が殺到し、注目の高さが伺えた。