一般社団法人実用英語推進機構は4月6日、学習塾をはじめとする教育サービスの関係者や教材会社を集め、「英語評価の4技能化に伴う教材の在り方に関する説明会」を国際文化会館(東京・港区)で開催した。
説明会に先立ち、今回のセミナーに協力をした株式会社興学社の池田晃代表が「日本の民間教育者も英語改革について全力で取り組まないといけないと思っています」と今回のセミナーが開催された意義を語った。
続いて、株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の込山智之氏と公益財団法人日本英語検定協会(以下、英検)の塩崎修健氏が、それぞれが実施している4技能(読む」「聞く」「書く」「話す」の能力)英語検定試験について講演した。
ベネッセは「GTEC CBT」という試験を主催しており、この試験はコンピューターの画面に問題を表示し、キーボードやマウスで解答を入力するスコア型4技能英語検定試験になっている。対する英検は、いくつかの英語力検定試験を設けているが、今回は日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るための「TEAP」について説明があった。
この2つの試験の特徴は、高等学校の学習指導要領をベースに、大学でプレゼンテーションを行ったり、論文を読んだりするアカデミックな活動を想定した英語能力を測定する試験であることだ。そして、どちらもCEFR(Common European Framework of Reference for Languagesの略。語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格として、欧米で幅広く導入されつつある)のレベルも参照できるようになっており、大学入試にも活用できるようになっている。実際にこの試験を活用している大学も増加しているそうだ。
最後は、今回のセミナーを主催した実用英語推進機構の代表理事である安河内哲也氏による特別講演が行われた。
安河内氏は、日本の英語教育が文法に偏重していると述べ、教師も生徒も一言も英語を発話しない、歪んだ英語の授業形態が常態化している点を断罪した。その上で、「生徒に発話させないといけない。教材は先生が教えるのを前提に作るのではなくて、生徒がやるということを前提に作っていかないといけないんです」と続け、これからの英語教材開発のヒントが数多く提案された。
同セミナーについては『月刊私塾界』5月号においても詳細をレポートするので、ぜひご一読いただきたい。