学習塾「開成教育セミナー」や「個別指導教育学院フリーステップ」を運営する株式会社成学社(開成教育グループ)が、この4月、大阪府豊中市に「旭丘かいせい保育園」を開園する。
同園の特徴は、「かいせいピグマリオン」というカリキュラムを、知育教育として導入しているところにあるだろう。これは、幼児英才教育「ピグマリオンメソッド」の創設者・伊藤恭氏によって、同園のため独自に作成されたカリキュラムとなっている。
ピグマリオン・メソッドとは、教えるのではなく、子どもたちの自ら学ぶ意欲を大事にし、指先→空間→図形→数論理→言語という順番で認識能力を高 め、養うことを目的としたメソッド。その教材には、たくさんの図形に触れ、遊びを通して図形形態把握能力を育成する「天地パズル」や、数を数えるのではな く、『5進法』から入り、20までの足し算・引き算を自在に行えるようにするための教具「ヌマーカステン」などを使用し、楽しみながら、数・図形・空間把 握能力、言語力、知識力を養う。そして最終的には、社会性・人間性を身につけ、自己愛だけでなく、他者への愛を育めるようになっている。
さらに、絶対音感トレーニングとして、田中準子氏の音楽指導法「J・Tメソッド」を毎日の保育に取り入れる。遊びの楽しさから達成する喜びへ無理な く導くこのメソッドを通して、見る力、聞く力、集中力を高め、絶対音感・リズム感を育成する。言語教育としては、週1回の英会話の時間も設けられている が、英会話だけでなく、詩などの音読の時間を設け、母国語である日本語をしっかりと身につけることを何より大事にするそうだ。
また、腰骨を立て(背筋を正して姿勢を伸ばし)精神を統一する「立腰(りつよう)」プログラムを導入し、子どもたちが自ら心と体を整える力を育成し、挨拶など、基本的なマナーや礼儀作法を学べるようになっている。
成学社の平野秀一取締役は「未来を担う子どもたちは、みな素晴らしい可能性を秘めています。これらのプログラムは、それを引き出し、豊かな感性、知性が育まれるようなプログラムになっています」と話す。
同園の知育教育プログラムは、小・中学受験にも対応できるように想定されているといい、園児たちの卒園後の成長も見据えたサービスを提供するのだと いう。ここ数年、学習塾が幼児教育に進出するケースが増えているが、旭丘かいせい保育園のように、学習塾の特性を活かし、子どもの学力を長期的に育成して いく保育園や幼稚園の開園は、今後も続くものとみられる。