巻頭言
5月に出雲を旅した折、三保神社を訪れた。全国各地にあるえびす神社の総本社だ。その近くにある大正レトロ感漂う「青石畳通り」を散策しているときだった。古い民家の軒先に燕の巣を発見した。巣の中で囀る雛たちを仰ぎ見ながら、長い間燕の巣を見なかったなぁと感傷に浸っていた。ふと気付くと、沢山の燕が、長い歴史を持つ港町を、勢いよく飛び回っていた。巣もあちらこちらにあった。何か豊かなものを感じた。
近年、燕は減少している。水田の減少により、餌となる昆虫が減ってしまったり、巣材となる良質の泥が減少したことが要因だ。また、住宅が高層化し、建材が変化し、土壁やモルタル壁が減り、泥が付きにくいタイルなどに替わった。また、家の軒先が狭くなったことも影響している。
自然や環境の変化以外に、悲しくなるような要因もある。人が巣を壊してしまうのだ。巣の周りに落ちる糞、その臭いと雛たちの鳴き声を嫌い、人間が除去してしまうのだ。天敵であるカラスの増加の次に来る原因である。
古来より、燕は農作物を食べる害虫を餌とすることから、益鳥とされてきた。また、春を告げる渡り鳥として、「巣を作ると商売が繁盛する」など、身近な鳥として親しまれてきたのに、である。多くの人々が燕を害鳥として見るようになってしまった。
これが減少の大きな要因とは、寂しい限り。段ボールで糞よけを設置したり、蒲鉾の板などで巣台を作ったり、共存の知恵を絞りたいものである。
(如己 一)
目次
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<<日本の教育の鍵>>
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- 66 学習塾の空間づくり 33 みやび個別指導学院(埼玉県越谷市)
- 70 挑む私学2 江戸川学園取手小学校次代を担うリーダーの育成のカギは小学校にあり
- 76 【寄稿論文】須原英数教室 塾長 須原 秀和氏『塾教育』の役割を考える(日本語原文)
- 82 石田淳の「ケイゾクはチカラなり」(最終回)ゲスト 石田淳・行動科学マネジメント研究所 所長
- 86 疾風の如く 62 創心ゼミ(東京都)代表 高田 康太郎さん
- 107 論点2014 9 ここにも存在した待機児童。学童保育
- 68 学習塾フランチャイズ研究所 57
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- 88 challenge~進化形jukuのカタチ 24 J-P.O.P.
- 91 芸術見聞録 14
- 92 新米塾長のための 学習塾経営基礎講座 16
- 96 中学生からの子育てスクランブル 30
- 98 井上郁夫の因数分解 6
- 100 林明夫の「21世紀の地球社会」 109
- 102 高嶋哲夫の「塾への応援歌」 149
- 104 未之知也(いまだこれ知らざるなり)17
- 110 編集後記
- 112 Book Review
- 114 塾長のためのガジェット講座
[お詫び]須原秀和先生の論文「『塾教育』の役割を考える」の掲載について |
『月刊私塾界』2014年9月号(通巻401号)の76-81ページに掲載された「【寄稿論文】須原英数教室塾長 須原 秀和氏『塾教育』の役割を考える(日本語原文)」については、国際教育学会(ISE)学会誌『クオリティ・エデュケーション』6号に掲載されたA study of the Role of Juku School Educationの日本語訳であるが、国際教育学会(ISE)から転載の許可を得る前に、掲載いたしました。この件について、国際教育学会(ISE)ならびに関係の皆さまに深くお詫び申し上げます。 |