千葉学習塾協同組合(JAC、西出一信理事長)は6月29日、模擬授業を通して「本当に生徒のためになる授業」を追求することを目標に「授業力アップ研修会」を千葉市文化センターで開いた。千葉県内の塾講師を中心に110名の参加者が集まった。
今年度より新たに経験年数2年以内の講師を対象とした「ルーキー部門」が新設され、そのほかの講師は文系・理系に分かれて「コンペ部門」で研修をおこなった。
「ルーキー部門」には9名が参加し、塾講師として必要な基本動作を中心に審査がおこなわれ、基準点に達すれば組合から認定証が授与された。ルーキーたちのフレッシュさと懸命な姿勢に、組合に所属するベテランの講師たちからは「初心を思い出した」「新人とは思えない授業に胸が熱くなった」といった感想が寄せられた。そして、審査の結果9名全員が基準点に達し、最高得点の新人賞は山﨑稔将先生(日米文化学院)が獲得した。
「コンペ部門」は13名の講師により、文系・理系それぞれに白熱した授業が繰り広げられた。審査は甲乙付け難い僅差の中、理系の志間岳先生(総合教育商社 翔英館)が優秀賞に、文系の大久保貴博先生(日米文化学院)が最優秀賞に輝いた。
また、5月25日に行われた開倫研究所主催の「全国模擬授業大会」で、数学部門第1位に輝いた岡部正行先生(開倫塾)と国語部門第1位を獲得した舩木政子先生(創学舎)、そして、昨年度優秀賞の田村聡也先生(ラピス流山)による模範授業と株式会社エデュケーショナルネットワークの金子章司氏による、コミニュケーションスキルを磨くワークショップも実施された。
今年は、ルーキー部門に模擬授業の採点項目を事前に開示したことで、参加者は研修前に基本スキルをしっかり練習し身に付けて本番に臨んでいた。授業後のフィードバックも合わせて、ルーキー講師達にとっては大変有意義な研修となったようだ。また、コンペ部門では普段の授業では行えない派手なパフォーマンスなどは減点項目とし、授業の内容について重点項目を設けて加点要素とするなど、評価基準にも改定を加えた。「模擬授業のための模擬授業」ではなく、日々の授業で実践できる「本当に良い授業とは何か?」を参加者が考えるきっかけとなる研修会となった。