民事再生を申請した千葉国際中・高の今後 ビジュアルビジョンの井沢隆代表が語る

千葉県君津市の私立千葉国際中学校・高等学校を運営する学校法人千葉国際(大谷晋示理事長)が5月7日に東京地裁に申し立てた民事再生法の適用について、学校再建のために2010年から同校を支援しているビジュアルビジョンの井沢隆代表が本誌取材に応じた。

ビジュアルビジョンの井沢隆代表

ビジュアルビジョンの井沢隆代表

同校は、5月12日に記者会見を開いており、その中で大谷晋示理事長は「学校運営の継続を前提とした手続きで、授業はこれまで通り継続する」と発表している。また、同法人の代理人によれば、負債総額は約30億円で、生徒数はビジュアルビジョンが支援を始めた4年前に比べ生徒数は増え、授業料収入などが順調に伸びているものの、1992年の開校時に施設建設費として借り入れていた巨額の長期債務が現在も残り、遅延損害金などが発生していることが明らかにされている。

実際、4月時点の同校の生徒数は千葉国際高校が436人、同中学が136人で、今春の高校入学者数も4年前に比べると2倍の170名となり、中学生の生徒数も倍増している。大学合格実績も4年間で約4倍に伸び、運動部も剣道部が関東大会や全国大会で上位入賞を遂げるほか、プロ野球やサッカーのJリーグに選手を輩出している。記者会見に先だっておこなわれた、生徒や保護者に対する説明会でも、今回の申し立てへの理解を得ており、6月中旬には経営の立て直しに向けた具体案を裁判所に示す予定だ。

本誌では5月末、学校再建が順調に進む中で発表された民事再生の申請について、ビジュアルビジョンの井沢隆代表に直接話しを聞くことができた。井沢氏は「民事再生を申請したというと倒産したのだと誤解されることも多いが、まったく違う。生徒は自ら挨拶ができるようになり、乱れた服装も減ったことで地域の皆さまからの評判も良くなっている。このように学校改革が進んでいる今こそ、債権者の方々にもご理解をいただいて、千葉国際中・高に通う生徒や保護者の皆さんにとってさらにいい学校となるよう、今回の申請をおこなった」と語る。今後、具体的な再生計画案が示され裁判所から認可されれば、長期債権の一部免除など学校再建のスピードが一段と早まることが期待される。

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